真珠(パール)とは?石言葉から種類ごとの特徴、選び方まで解説

真珠をあしらったジュエリーは、上品でエレガントな印象を与えるとして、多くの人に愛されています。年代を問わず身につけられるため、長く愛用できる点も魅力のひとつです。

真珠といっても、色や質感、育った環境によっていろいろな種類が存在し、特徴や価格も様々なので、選ぶ際に迷う方も多いでしょう。

この記事では、真珠の歴史や石言葉、種類ごとの特徴などを詳しく解説します。また、購入した真珠を長く美しく保つためのお手入れ方法や管理方法についても紹介します。

この記事を参考に、真珠の魅力を知り、自分にぴったりのパールジュエリーを見つけてください。

・目次


真珠(パール)とは

真珠とは、海や川、湖に生息する二枚貝から採れる宝石のことです。真珠の独特な色やツヤは、真珠層(※)を持つ貝でしか生み出すことができません。真珠をつくり出す成分は、真珠層と同じ貝殻成分です。真珠は、体内に入った異物を貝殻成分で何層にも覆うことでできています。大きさや色、形などは採れるまでわからない、まさに偶然の産物なのです。

さらに、採れた真珠の中でも、美しさ・耐久性・希少性などの指標をクリアしたものに宝石的価値がつき、販売されています。採取された真珠の全てが宝石として販売されているわけではありません。

※貝殻の内側にある真珠表面と同じような光沢を持つ層のこと

真珠の名前の由来

真珠の「珠」には、丸い玉という意味の他に、光輝く美しい宝石類という意味もあります。海から採れた美しく輝く玉ということで真珠と呼ばれるようになりました。

日本の真珠は、別名「和珠(わだま)」とも呼ばれています。アコヤ貝から採れるアコヤ真珠のことを示し、古くから親しまれてきました。

また、英語では「パール」と呼ばれています。これは、天然真珠の形が西洋ナシに似ていることから洋ナシを意味する「Perla」に由来しているといわれています。

真珠の歴史

真珠は「世界最古の宝石」といわれています。様々な国の絵画や書物などに登場し、「人魚の涙」「月の雫」などと呼ばれてきました。

古代エジプトのクレオパトラやイギリスの女王エリザベス1世も真珠を所有していたといわれるように、王族や貴族が身につける特別な宝石であったとされています。日本では、縄文時代の貝塚跡から真珠が見つかっています。

日本から外国への献上品としても重宝された真珠ですが、天然真珠の生産量は少ないという難点がありました。そんな中、養殖で生産量を増やすことに成功した人物が、明治時代の真珠王・御木本幸吉です。

天然真珠を内国勧業博覧会(※)に出展していた御木本は専門家の助言のもと、1893年(明治26年)に真珠の半円養殖に成功しました。1907年(明治40年)には、西川藤吉により現在の養殖技術が発明され、日本の真珠養殖はさらに発展を遂げていきました。

※国内産業の発展と輸出品目の育成を目的として政府によって開催された博覧会


真珠・パールの石言葉

真珠の石言葉は、「純真無垢」「純潔」「富」「健康」などがあります。精神を落ち着かせる、悪い気を払い守るとされ、古くからお守りとしても重宝されてきました。

また、真珠が貝の中で成長することから、家族愛の象徴ともされています。丸い真珠は「縁を結ぶ」イメージから、結婚式にも使用されることが多いです。結婚30周年の節目は「真珠婚式」と呼ばれ、今後の良好な関係を願って真珠を贈ります。

真珠は6月の誕生石でもあります。誕生石について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。

各月の誕生石の特徴や石言葉を解説!普段使いにおすすめのジュエリーも紹介


真珠の種類と特徴

世界中で愛されている真珠ですが、育つ環境や貝の種類によって、色や大きさ、質などが異なります。真珠の種類と魅力的な特徴を詳しく解説していきます。

アコヤ真珠

アコヤ貝に真珠の核を入れることで育てられた真珠を「アコヤ真珠」と呼びます。

三重県の伊勢志摩、愛媛県の宇和島、長崎県の対馬は国内のアコヤ真珠三大産地として知られています。

光沢や透明感のある白さで高品質な日本の真珠として流通しています。白だけでなく、淡いピンク色やクリーム色などの特有な色味も特徴です。「和珠(わだま)」とも呼ばれ、古くから装飾品や外国への献上品として重宝されてきました。

南洋真珠

南洋真珠とは、南半球の暖かい気候で育った真珠のことです。インドネシアやフィリピン、タヒチ、オーストラリアなどが主な産地として知られています。南洋真珠の種類には、黒蝶真珠と白蝶真珠があります。

黒蝶真珠

南洋に生息する黒蝶貝から採れる真珠を「黒蝶真珠」と呼びます。ポリネシアが代表的な産地で、「タヒチ真珠」「黒真珠」とも呼ばれることがあります。

黒蝶貝は黒みを帯びた色をしているので、採れる真珠もブラック系など色の濃いものが多いです。ブラック系の他に、グリーン系、グレー系、ブルー系、レッド系、パープル系、イエロー系など色の豊富さも特徴です。

白蝶真珠

真珠貝の中でも最大といわれる白蝶貝から採れる真珠を「白蝶真珠」と呼び、南半球のフィリピンやインドネシア、オーストラリアなど熱帯の海に面している地域が生産地として知られています。

母体となる貝が約20㎝と大きいため、流通している白蝶真珠の多くは約11~13㎜、大きいものだと約20㎜にもなります。

白蝶貝の真珠層の色の影響で、真珠もホワイト系やゴールド系、シルバー系の色味になることが多いです。

淡水パール

淡水パールは、川や湖に生息する二枚貝から採れる真珠のことです。日本では琵琶湖などが淡水パールの養殖で有名ですが、ほとんどは中国で養殖されています。

比較的小粒なものが多く、形も円・楕円形など様々です。ホワイト、オレンジ、ピンク、グレーなど暖かい色味が特徴です。

マベ真珠

マベ貝に核を入れて育った真珠を「マベ真珠」と呼びます。日本ではマベ貝の生息地である奄美大島から沖縄の海で生産されています。半円形が特徴で、サイズは約1~3cmが主流です。

色の種類が豊富で、ホワイトやブルー、ピンクやゴールドなど淡い色から濃い色のものまであります。特に奄美大島で採れるマベ真珠は、虹色の輝きを持つため人気が高いです。

品質によって異なる真珠の呼び方

形や色が一粒ずつ異なる自然の産物である真珠は、価値基準が複雑です。

ここでは、品質による真珠の呼び方も紹介します。中には希少価値や人気の高い真珠もあるので、ぜひ参考にしてください。

バロックパール

球体ではなく歪んだ形の真珠を「バロックパール」と呼びます。

歪んだ形は個性的でカジュアルな印象を与えることができるため、普段使いもしやすいです。形や大きさが様々なので、人との被りを気にする方にもおすすめです。

ケシパール

ケシパールは、核を入れて育つのではなく、貝の中に入った砂などの異物を核として形成された真珠です。ケシの実のように粒が小さいことからケシパール(ケシ真珠)と呼ばれています。

真珠を形成する真珠層に厚みがあるため、真珠特有の深い光沢があります。細長いものや平らなものもあるので、性別問わず取り入れやすい真珠です。まろやかな色味が特徴で、ホワイトやシルバー、ブラックなどの色味があります。

フェイクパール(イミテーションパール)

本物の真珠に似せて作られたものがフェイクパールです。フェイクパールには、以下の種類があります。

【フェイクパールの種類】
●  コットンパール
●  プラスチックパール
●  ガラスパール
●  貝パール

本物の真珠と比べると輝きなど多少劣る部分はありますが、技術の向上とともに本物と区別がつきにくいものが増えてきています。本物の真珠よりお手入れや管理も楽な上に、価格も手ごろなので、いろいろなパールジュエリーを楽しみたい方や気軽に普段使いしたい方におすすめです。


真珠の天然と養殖の違い

世界中で古くから装飾品として身につけられている真珠ですが、明治時代に真珠の養殖が始まる以前の日本では、天然真珠のみが流通していました。

天然真珠とは、人の手が加わっていない自然界で育った真珠層を持つ貝から採れた真珠のことです。無核か極小の核のものが多く、真珠層が何層も重なりあって形成されています。採れる数が少ないため、中でも質の高いものは高値で販売されます。

養殖真珠は、人の手で核を入れて育てられた真珠のことです。天然真珠が希少なため、真珠の生産量を上げるために真珠の養殖が始まりました。天然真珠と見た目の差はほとんどありませんが、養殖真珠は、二等分した場合の断面に核が確認できます。価格は天然真珠よりは低いですが、質によっては高額になるものもあります。


真珠の選び方【価格を左右する価値基準】

真珠の価格は、価値基準によって決まります。価値基準について知っておくと、真珠を購入する時に役立つかもしれません。

知っておくと便利な真珠の選び方や選ぶ時のポイントを紹介します。

真珠の価値で選ぶ

真珠の価格につながる価値基準は、巻き・光沢・キズ・形・色・大きさです。

価値基準

解説

巻き

真珠層の厚みのことで、巻きがあるほど真珠層が多く価値が高い

光沢(ツヤ)

巻きの厚みに比例しており、巻きがあるほど光沢が生まれ価値が高い

キズ(えくぼ)

真珠の表面にある傷や凹みのこと

完璧な球体であるほど価値が高いが、バロックパールやケシパールなど個性的な形も注目を集めている

二枚貝の真珠層の色に関係し、希少な色は価値が高い

大きさ

大きい方が価値は高いが、品質には直結しない


中でも重要視されるのは「巻き」です。真珠特有の美しさは、巻きの厚みからくる光沢によって生まれます。巻きの薄い真珠は、どんなに良い形で大きくても宝石的価値は低くなります。

真珠の形・大きさで選ぶ

真珠は真円と呼ばれるきれいな円形だけでなく、バロックパールやケシパールなど偶然にできた個性的な形も人気です。

真円の真珠はエレガントで清楚な印象を与え、フォーマルシーンに活躍します。バロックパールやケシパールなど個性的な形の真珠は、カジュアルシーンでも使いやすいです。

真珠は大きさによっても印象が変わります。大粒の真珠は存在感があるため、人目を引く主役のアクセサリーとして使用できます。巻きや光沢を重視しなければ、粒の大きな真珠も手頃な価格で手に入るため、大粒の真珠にも挑戦しやすいです。小粒のものは、ちらっと見える真珠の色味や光沢にさりげないおしゃれさがあり、いろいろなシーンで使用することができます。

真珠の色で選ぶ

真珠は、ホワイト系、ゴールド系、ブラック系など色のバリエーションや濃淡も様々です。育つ貝の真珠層の色によっても、真珠の色は変わります。

【真珠の種類による色】

種類

アコヤ真珠

ホワイト、淡いピンク、クリーム色、イエローなど

黒蝶真珠

ブラック系、グリーン系、グレー系、ブルー系、レッド系、パープル系、イエロー系など。濃色が多い

白蝶真珠

ホワイト系、シルバー系、イエロー系、ゴールド系の色味になることが多い

淡水パール

ホワイト、オレンジ、ローズ、ピンク、グレーなど

マベ真珠

ホワイト系、ピンク系、ブルー系、メタリックゴールド、オーロラカラーなど


色は価値基準にもなっていますが、価値以上に自分と相性の良い色や好みの色を選ぶことも大切です。長く愛用できる宝石なので、子や孫の代まで使えるような定番の色を選ぶのもおすすめです。


真珠のお手入れ方法と注意点

自然の産物である真珠は、天然真珠と養殖真珠のどちらも、熱や湿度、酸性の薬品などの影響を受けやすい特徴があります。万が一、真珠が熱や湿度、酸性の薬品などにさらされてしまうと、以下のような劣化の原因になります。

【真珠の劣化】
●  光沢が薄れる
 真珠が酸にさらされると、真珠層の大半を占める成分であるカルシウムが溶けるため、光沢が薄れてきます。

●  黄ばみ
 真珠層に含まれるタンパク質は、紫外線などの熱や光で変色する性質があります。光の当たる場所に長期間置いておくと、黄ばみが生じてきます。

なるべく長く美しく保つために、真珠の劣化を防ぐための適切なお手入れ方法と保管方法を解説します。

身支度の最後に着用する

真珠は湿度や酸に弱いという特徴があるため、身支度中に真珠を身につけていると汗や化粧品などが付着する可能性があります。真珠の成分劣化につながるため、身支度中の着用は避け、身支度の最後に身につけることをおすすめします。

乾いた柔らかい布で優しく拭く

フォーマルシーンで使用されることが多い真珠は素肌に触れることが多いため、汗やメイク、日焼け止めなどが付着しがちです。それらを付着したままにしておくと、光沢の薄れにつながります。

真珠の劣化を防ぐため、使用後はなるべく早く外して、メガネ拭きやジュエリークロスなどの乾いた柔らかい布で優しく拭きましょう。

なお、生活の中で使用しているタオルやガーゼなどは漂白剤成分が含まれている可能性があるため、使用は避けるようにしましょう。

高温多湿・直射日光・酸性の薬品のそばを避けて保管する

真珠は熱や光、湿気や酸などに弱いため、保管する環境は、高温多湿や直射日光、化粧品、薬品などのそばを避けた場所にしましょう。

真珠のみを入れるような蓋のあるジュエリーケースに入れて保管することがおすすめです。他の宝石やアクセサリーと一緒に保管すると、真珠に傷がつく可能性があるため注意しましょう。


真珠を使用したジュエリー

真珠を使用したジュエリーはたくさん流通しています。ここでは、真珠を使用したジュエリーにはどのような種類があるのかを紹介していきます。

清楚で独特な輝きを持つ真珠のジュエリーは、フォーマルからカジュアルまで、幅広いシーンで活躍するでしょう。

ネックレス・ペンダント

パールネックレスは、冠婚葬祭などのフォーマルシーンでの活躍が多いため、ひとつは持っておきたいジュエリーです。特に、アコヤ真珠や真円のパールネックレスはフォーマルシーン向けとして人気が高いです。バロックパールやカラフルな真珠を使用したネックレスはカジュアルな装いにも合わせられるため、日常使いも可能です。

真珠を使用したペンダントは、日常使いはもちろんですが、オフィスシーンや入学式・卒業式などの式典にもぴったりです。

ピアス・イヤリング

真珠を使用したピアスやイヤリングは、フォーマルからカジュアルまで様々なデザインがあります。真珠特有のまろやかな色味は、ピアスやイヤリングとして取り入れることで顔色を明るく見せ、優しい雰囲気に見せてくれます。

ネックレスやペンダントとセットで使用することもできるので、冠婚葬祭などにも便利です。

リング

真珠のリングは、やわらかな光沢が魅力で、フォーマルシーンからカジュアルシーンまで幅広く使用できます。

カジュアルに使用したい場合は、バロックパールなどの個性的な形や色味をチョイスするのもおすすめです。別のリングと重ねづけをすると、指先がよりおしゃれになります。

また、真珠のリングは着物などの和装に合わせるのもおすすめです。着物の華やかさと真珠のやわらかな光沢がマッチするでしょう。

ブローチ

パールを使用したブローチは、入学式や卒業式の参列などシンプルになりがちなフォーマルな装いに、華やかさをプラスしてくれます。

使用しているパールの個数や種類によって印象は様々ですが、派手になりすぎずさりげなくおしゃれを楽しむことができます。サークルやリボンモチーフなどの定番デザインから、音符やアニマルなどのかわいらしいモチーフまで、デザインが豊富なところもポイントです。


真珠を使用したジュエリーをお探しの方は「TOKYO JEWELRY FES」がおすすめ

自分にぴったりのパールジュエリーを探している方は、ぜひ「TOKYO JEWELRY FES」にご来場ください。

「TOKYO JEWELRY FES」はパールジュエリーをはじめとしたジュエリーを購入したい方にぴったりの大規模な展示会です。「ジュエリーFES」「クリエイターFES」「ミネラル&ストーンFES」の3つで構成されていて、多くのメーカーやクリエイター、ジュエリーショップのジュエリーをひとつの会場で購入することができます。

ワークショップではオリジナルジュエリーを作ることもできるので、まさに「見たい」「買いたい」「作りたい」が叶うイベントになっています。

真珠の価値基準などをもとに選ぶのが難しいと感じる方にも、知識豊富なジュエリー専門のスタッフに相談しながら選ぶことができるので、おすすめです。ぜひ、真珠の光沢や色味などを目で見て、お気に入りのパールジュエリーを見つけてください。

TJFESの開催場所と開催日時は以下のとおりです。

開催場所

開催日時

東京ビッグサイト 西展示棟3・4ホール

2025年8月1日(金)~3日(日)

 

TJFESの詳細は、以下のページからご確認ください。
「TOKYO JEWELRY FES」の詳細はこちら

【監修者】


イヴルルド遙華(いゔるるど はるか)


【プロフィール】

前向きなアドバイスが口コミで広がり、モデルやヘアメイク、エディターなどの業界で絶大な支持を得る、いま話題のフォーチュンアドバイザー。西洋占星術、タロットをはじめ、人生の流れを24の節目で区切る「フォーチュンサイクル」など、幅広い占いを独学で研究する。 ELLE ONLINE(ハースト婦人画報社)や VOCE(講談社)など様々なメディアに占いコンテンツを提供。櫻井・有吉THE夜会、ヒルナンデス!、ダウンタウンDX、ラヴィット!、ひるおび、などテレビ出演し、元気になれるアドバイスが大好評。

著書『運命のフォーチュンAmulet』(小学館)、「今からできる画数チェンジ よい名前 悪い名前」(小学館刊)、「風の時代に幸せをつかむ! “フォーチュンサイクル占い”」(主婦の友社刊) などが好評発売中。最新刊に 『ハッピー推し活占い』(小学館) がある。

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