メテオライトとは?石言葉や種類、お手入れ方法などを詳しく解説
メテオライトは人気の天然石のひとつです。長い年月をかけて生成された独自の構造、宇宙の神秘的なパワーなど、メテオライトは様々な魅力を持っています。
この記事では、メテオライトの特徴や石言葉、種類、お手入れ方法などを解説します。
・目次
メテオライトは隕石の総称
メテオライトは、宇宙から地球に飛来した隕石の総称です。金属や岩石など物質を構成する要素にかかわらず、その天然石が隕石である場合は「メテオライト」と呼ばれます。
一般的な天然石は艶のある質感を持つものが多いですが、メテオライトは比較的メタリックな質感をしています。メテオライトならではの独特の質感に魅力を感じる方は多く、世界中にはたくさんのメテオライト愛好家がいると言われています。
メテオライトの石言葉
メテオライトの石言葉は明確に決まっていません。
しかし、遥か彼方の宇宙から地球に飛来したというミステリアスな部分から、パワーストーンとして持つ方も多いようです。
身につけることで宇宙の神秘的なパワーを感じられるかもしれません。
メテオライトは成分の比率によって大きく3つに分類される
メテオライトは、石を構成している成分によって大きく以下の3つに分類されます。
- 鉄質隕石
- 石質隕石
- 石鉄隕石
以下でメテオライトの分類ごとの特徴を紹介します。
鉄質隕石
鉄質隕石は主に金属鉄で構成されているメテオライトで隕鉄とも呼びます。地球でいう核(コア)に相当したもので、地球に落下する隕石のうち約5%と、数が少ないのが特徴です。
成分比率によって細かく分類されており、「ヘキサヘドライト」、「オクタヘドライト」、「アタキサイト」などの種類があります。
比較的重いため、普通の石と区別はしやすいです。
酸素が多い地球では酸化し、錆びてしまうことも多いと言われています。
石質隕石
石質隕石は主にケイ酸塩鉱物で構成されているメテオライトで、地球でいうマントルに相当します。発見される隕石のほとんどは岩石質の「石質隕石」だと言われています。
地球上にある石や岩とよく似ており、違いが分からないものもありますが、石質隕石のひとつである「コンドライト」はコンドリュールと呼ばれる隕石特有の1㎜程度の球形粒子を含んでいます。
石鉄隕石
石鉄隕石は、鉄質隕石と石質隕石の中間にあたるメテオライトです。
希少性が非常に高いことで知られている石で、数ある隕石のなかでも石鉄質隕石に該当するものは全体の1~2%しかないと言われています。
メテオライトの主な種類
隕石は年間2万個ほど地球に落下していると推定され、3分の2は海に落下していると言われています。
これまでに発見された隕石のほとんどは見晴らしの良い南極で見つかっており、他の場所では探すのが難しく、あまり見つかっていません。
しかし、メテオライトはスウェーデンやオーストラリア、ロシアなど、世界中の様々な場所で発見されています。
メテオライトの産地は厳密にいうと宇宙ですが、実際にはメテオライトが発見された地域が産地として扱われており、産地によって種類別されています。
種類によって呼び名が異なるので、メテオライトを用いたパワーストーンやジュエリーを探している方は代表的な種類の呼び名を知っておくと良いでしょう。以下でメテオライトの主な種類を紹介します。
ムオニナルスタ
ムオニナルスタは、スウエーデンのムオニオ川で発見された鉄質隕石です。発見されたのは1906年ですが、地球に飛来した時期は約4億5千万年前にもなると言われています。
産地が北極圏内にあるため発掘が難しく、流通量も少ない貴重な隕石です。
ムオニナルスタはカット後に処理すると、「ウィドマンシュテッテン構造」と呼ばれる格子状の模様があらわれるのが特徴です。
ウィドマンシュテッテン構造は自然に作られた構造で、人工的に再現ができない上に同じ模様は存在しません。構造が作られるのに100万年もかかると言われており、幾何学的で不思議な模様は、多くのコレクターから人気を集めています。
ギベオン
ギベオンは、1938年にナミビアで発見されたメテオライトです。ムオニナルスタと同じ時期、約4億5千万年前に地球に飛来したと考えられています。成分の比率から鉄質隕石「オクタへドライト」に分類されています。
ギベオンにも、長い歴史をかけて作られたウィドマンシュテッテン構造があらわれており、採れる量が少ないことからもコレクターアイテムとして人気があります。
マンドラビラ
マンドラビラは、1911年にオーストラリアのナラーバー平野で発見されたメテオライトです。ムオニナルスタやギベオンと同様に、ウィドマンシュテッテン構造の美しい模様を楽しめます。
パラサイト
パラサイトは石鉄隕石の一種で、岩石質部分に「ペリドット」を含んでいる石鉄隕石をパラサイトといいます。世界で最も美しい隕石とも呼ばれており、隕石のなかでも、約1%の確率でしか発見されない貴重な隕石として人気を集めています。
パラサイトの中に含まれるペリドットの結晶は「パラサイティックペリドット」とも呼ばれています。通常のペリドットと比べ小さい場合が多く、見つかる量が少ないのが特徴です。
カンポ・デル・シエロ
カンポ・デル・シエロは、1576年にアルゼンチンで発見されたメテオライトです。酸で表面を処理することで「ウィドマンシュテッテン構造」が浮かび上がります。
カンポ・デル・シエロの原石は地球にやってきた時にできたと言われている凹凸や穴が特徴的なものがあるため、カットせずにそのまま販売されていことも多いです。
メテオライトはジュエリーとしても人気が高い
メテオライトはラグジュアリーブランドの腕時計の文字盤の素材とされることが多いですが、リングやペンダントなどのジュエリーにあしらう天然石にもよく使われています。
宇宙の神秘的なパワーや独特の模様、希少性の高さなど、様々な魅力を兼ね備えたメテオライトジュエリーに惹かれる方は多く、コレクターアイテムとして特に人気があります。
また、人工的に再現ができず、この世にひとつしかないウィドマンシュテッテン構造の模様を楽しめるのもメテオライトジュエリーの大きな魅力です。
この世にふたつとない自分だけのジュエリーがほしい方は、この機会にお気に入りのメテオライトジュエリーを探してみてはいかがでしょうか。
メテオライトのお手入れ方法
メテオライトのお手入れは、柔らかい布で乾拭きして行うのが基本です。定期的に乾拭きするだけでもメテオライトの美しい質感や見た目を保ちやすくなります。
メテオライトは石質のものや金属質のものなど種類が様々で、硬度や性質も違います。一般的に鉄質隕石は錆びやすい特性があり、錆を防ぐ加工が施されている場合もあります。
どんな加工が施されているか、どんなお手入れ方法が適切かは、購入する際にお店側に確認するのをおすすめします。
また、メテオライトを保管する際は、他の石とぶつからないように注意が必要です。湿気の少ない風通しの良い場所に保管しましょう。
TJFESの「ミネラル&ストーンFES」でお気に入りの天然石を探そう
メテオライトなどの天然石を探しているなら、「TOKYO JEWELRY FES(TJFES)」への来場がおすすめです。
TJFESは、大規模なジュエリー消費者向け展示会です。「ジュエリーFES」「クリエイターFES」「ミネラル&ストーンFES」の3つのFESで構成されています。
「ミネラル&ストーンFES」には世界中の天然石や希少石、ルースが出展しており、メテオライトをはじめとした様々な天然石に出会えます。「ジュエリーFES」「クリエイターFES」では、天然石を使用したジュエリーも出品されます。
TJFESでお気に入りの天然石やジュエリーを見つけてください。
TJFESの開催場所と開催日時は以下のとおりです。
開催場所 |
日程 |
東京ビッグサイト 西展示棟3・4ホール |
2025年8月1日(金)~3日(日) |
TJFESの詳細は、以下のページからご確認ください。
「TOKYO JEWELRY FES」の詳細はこちら
【監修者】
長村由起子(おさむら ゆきこ)
【プロフィール】
ジュエリー専門ライター・編集者
ジャパンジュエリービジネススクールを卒業後、神戸のカラーストーン卸会社に8年間勤める。
その間、店舗・催事販売、リフォーム、仕入れ、買取業務、自社ブランドの立ち上げ、社員研修講師役まで様々な業務に従事。
現在はジュエリー専門ライター・編集者として活動中。国内外のジュエリー会社のコーポレートサイトやブログを執筆・編集しています。
個人ホームページ「ジュエリーのプロが教える宝石のいろは」https://japan-jeweler.com/
【取得資格】
JBS宝石ジュエリー鑑別鑑定士( JBS Graduated Jeweler)
ジュエリーコーディネーター2級
ジュエリーリモデルカウンセラー2級
博物館学芸員