マザーオブパールとは?石言葉や効果、おすすめのジュエリーを紹介
マザーオブパールとは、名前のとおり、真珠を生成する真珠母貝のことです。真珠母貝の貝殻の内側の真珠層は真珠に似た美しい光沢を持ち、これを加工した宝石が一般的に「マザーオブパール」と呼ばれています。真珠と違って貝殻を利用するため、比較的手に入りやすく、古くから装飾品やジュエリーに使用されてきました。
マザーオブパールは真珠と比べるとあまり知られていないため、真珠との違いや色の種類などについて疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。
この記事では、マザーオブパールの特徴を解説します。真珠との違いや色の種類、おすすめのジュエリーやお手入れ方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
・目次
マザーオブパールとは
マザーオブパール(Mother of Pearl)とは、主に白蝶貝や黒蝶貝など、真珠を包み成長させる貝である真珠母貝のことです。真珠母貝の貝殻の内側の真珠層を加工した宝石が一般的に「マザーオブパール」と呼ばれています。
マザーオブパールは、真珠のような美しい虹色の光沢が特徴です。貝の種類によって色や光沢が異なり、ホワイトやブラック、ブラウンなどの幅広いカラーバリエーションを持ちます。貝のなかで自然に育まれるナチュラルな輝きは、身につけると柔らかさや上品さを与えてくれます。
マザーオブパールの歴史は古く、数千年前から使われているとされています。日本では江戸時代頃から、煮て剥がした真珠層を細かくカットし組み合わせて形を作り、漆を何層にも重ねて作る「螺鈿(らでん)」と呼ばれる装飾技法が、漆器の蒔絵や建築物に利用されてきました。京都に建立された平等院鳳凰堂の天井装飾にもマザーオブパールが使われています。
マザーオブパールの主な産地は、オーストラリアやインドネシア、フィリピンや中国などです。マザーオブパールは海に面した幅広い地域で採取でき、特に真珠の養殖が盛んな地域が主な産地となっています。
マザーオブパールの石言葉
マザーオブパールの石言葉は、明確に決まっているわけではありません。しかし、「健康」「富」「長寿」など真珠の石言葉と近しいイメージを持たれることも多いです。
誕生石にも特に定められていませんが、真珠が6月の誕生石であるため、6月が誕生月の方にマザーオブパールを取り入れたジュエリーを贈る方もいます。
マザーオブパールの効果
マザーオブパールは、真珠を生み出す母貝の真珠層から作られることや、自然な光沢のある見た目から、いくつかの効果を期待して所持する方もいます。
以下では、マザーオブパールに期待されることが多い効果を紹介します。
母性や親子愛
マザーオブパールは、真珠を生成する真珠母貝から作られることから、母性や親子愛の象徴とされています。出産を控えている時、母性を育みたい時、子どもとの絆を深めたい時など、安産や子育てのお守りとして身につけられることがあります。
優しさと包容力
マザーオブパールは、身につける方を優しく包み込むような、自然で優しい輝きを放ちます。疲れた心を癒したい時、内面からの優しさを得たい時などに身につけると癒されるかもしれません。
マザーオブパールの種類
マザーオブパールは、採取する母貝や色調によって印象が変わります。以下では、マザーオブパールを色別に紹介します。
ホワイトマザーオブパール
ホワイトマザーオブパールは、主に白蝶貝から採取されるホワイトを基調とした宝石です。
マザーオブパールのなかでも代表的なカラーで、ネックレスやブレスレット、リングなど幅広いジュエリーで使用されています。上品な色合いと光沢で、エレガントなイメージが魅力です。同じホワイトを基調とするものの、クリーム色の強いカラーやグレーがかったカラーなど、採取する貝によって色味が異なります。
なお、主な原料の白蝶貝は、真珠貝のなかでもサイズが大きい貝です。オーストラリア北部や東南アジアの海域を中心に採取され、ジュエリーの他、ボタンや高級時計の文字盤に使用されています。
ブラックマザーオブパール
ブラックマザーオブパールは、主に黒蝶貝から採取されるブラックを基調とした宝石です。タヒチ産のマザーオブパールが代表的で、深みのある黒と真珠特有の虹色の光沢の上品さが魅力です。
「ブラックマザーオブパール」という名称ですが、産地や貝、使う場所によってベースの黒さは異なります。マットに近い黒さを持つカラーからグレーに近いカラーまでバリエーションがあり、一般的に、黒みが強いほど高い価格で取引されます。
落ち着いた印象を演出できるため、フォーマルなシーンで用いられる時計の文字盤やカフスボタンにも採用されます。
ブラウンマザーオブパール
ブラウンマザーオブパールは、ブラウン系の色味を持つ真珠層から採取されるマザーオブパールです。
ホワイトにブラウンが混じったカラーや赤みがかったブラウンなど、他のマザーオブパールと同様に、産地や貝により色合いに違いが存在します。
虹色にきらめくブラウンカラーが特徴で、性別関係なく使用しやすいマザーオブパールです。
ピンクマザーオブパール
ピンクマザーオブパールは、パステルピンクの柔らかな色合いが特徴で、ピンクの色味の強さは貝の個体によって異なります。
ピンクカラーは可憐さやかわいらしさ、穏やかさを演出する色味でもあり、ピンクマザーオブパールは、女性向けのジュエリーや時計の文字盤などで人気です。
マザーオブパールのおすすめジュエリー
マザーオブパールは、加工のしやすさや美しい輝きから様々なジュエリーに使用されています。マザーオブパールのジュエリーに興味のある方に向けて、おすすめのジュエリーを紹介します。
ネックレス
マザーオブパールは自然な光沢を持つため、クロスや円、蝶の形など、幅広いデザインに採用しやすい特徴があります。ハイブランドのネックレスにも多く採用されている素材です。
リング
マザーオブパールは、リングにも広く使用されています。照らされた光によって光沢の違いが楽しめるため、目に付きやすい手元に付けるのもおすすめです。デザインのバリエーションが多く、様々なコーディネートに合わせやすいジュエリーです。
ただし、マザーオブパールは繊細な宝石なので、傷を付けたくない場合は利き手と反対の手につけるなど注意が必要です。
ピアス
マザーオブパールはデザインの自由度が比較的高いため、ピアスにもよく使用されます。円形や楕円形、蝶の形やハートの形など、幅広いデザインにより遊び心を演出できます。
また、マザーオブパールを顔回りに身につけると、肌を明るく華やかな印象にしてくれるでしょう。
マザーオブパールのお手入れ方法
マザーオブパールの輝きを維持するためには、普段のお手入れが大切です。マザーオブパールのジュエリーを着用した後は、メガネ拭きのような柔らかい布で優しく拭いてあげましょう。
汚れがひどい場合は、ぬるめの石鹼液で汚れを浮かせてから流水で洗い流し、しっかり拭きます。その後、風通しの良い場所に置いて乾かします。ドライヤーなどで乾かすのは劣化につながるためやめましょう。
マザーオブパールのモース硬度は3~4で、宝石としては柔らかく傷つきやすいのが特徴です。使用方法によっては表面が損傷する恐れがあるため、運動時の着用は避け、表面が直接地面などに接触しないようにしましょう。
また、マザーオブパールは有機物の貝殻をもとに作られているため、熱や湿度に弱いです。直射日光が当たる場所や高温多湿の環境での保存は、できるだけ避けてください。酸性の洗浄剤や超音波洗浄機の使用も適していないため、使用しないようにしてください。
TJFESで自分にぴったりのマザーオブパールジュエリーを探そう
マザーオブパールをはじめ、ご自身にぴったりのジュエリーを探している方は、ぜひ「TOKYO JEWELRY FES(TJFES)」にご来場ください。
TJFESは、多数のジュエリーや素材が出展される大規模な展示会です。ジュエリーFES、クリエイターFES、ミネラル&ストーンFESの3つのFESで構成され、多くのメーカーや小売店(ジュエリーショップ)、クリエイターがブースを出展します。
TJFESでは、デザインや価格帯、製作者が異なるジュエリーを、ひとつの会場で触れられます。こだわりのジュエリーを探している方、一生もののジュエリーを求めている方にも適した展示会です。
ジュエリーの出展だけでなく、TJFESでは各種イベントを開催しています。ジュエリーが好きで、様々なコンテンツに触れたい方にもおすすめです。
TJFESの開催場所と日程は以下のとおりです。
開催場所 |
日程 |
東京ビッグサイト 西展示棟3・4ホール |
2025年8月1日(金)~3日(日) |
TJFESの詳細は、以下のページからご確認ください。
「TOKYO JEWELRY FES」の詳細はこちら
【監修者】
長村由起子(おさむら ゆきこ)
【プロフィール】
ジュエリー専門ライター・編集者
ジャパンジュエリービジネススクールを卒業後、神戸のカラーストーン卸会社に8年間勤める。
その間、店舗・催事販売、リフォーム、仕入れ、買取業務、自社ブランドの立ち上げ、社員研修講師役まで様々な業務に従事。
現在はジュエリー専門ライター・編集者として活動中。国内外のジュエリー会社のコーポレートサイトやブログを執筆・編集しています。
個人ホームページ「ジュエリーのプロが教える宝石のいろは」https://japan-jeweler.com/
【取得資格】
JBS宝石ジュエリー鑑別鑑定士( JBS Graduated Jeweler)
ジュエリーコーディネーター2級
ジュエリーリモデルカウンセラー2級
博物館学芸員